授業で学んだこと

夏学期に受けていた「乳牛の健康管理」の授業もそろそろ終わります。来週は一人20分のプレゼン+10分の質疑応答なのですが、なんだかやる気が出なくてダラダラしているYareyareです。

そこで学んだことをちょこっとご紹介。あ、ちなみに先生がペラペラしゃべっているのを聞き取ってそれをまとめただけなので(授業によってはスライドや参考文献が無いことも)、話の信憑性や裏付けについてはご容赦ください。

 

カナダの酪農にはクォータ制度があって、酪農家ごとに出荷できる乳量が限られています。なので、生産量が多ければ多いほど収入が上がるというわけではありません。正確には、乳量ではなく乳脂肪量で決まっています。ちなみにオランダのクォータ制度は堆肥に含まれる窒素やリンの排泄による環境への影響を鑑みて作られましたが、2015年に廃止されました。でもその後新たにまたリンの排泄を規制する制度が設けられたようです。カナダでは環境問題というよりも、1960年代からずっと続いてきた慣習としていまだ残っています。

国内の多くの酪農家がDHIという協同組合のような団体に加入していて(現:Lactanet)、そこのサービスでは農場内の全搾乳牛の乳汁サンプルを1-2ヶ月に1回くらいの頻度で採取して乳成分やSCCを測ってくれるようです。ほかにもヨーネの検査やケトン体の測定、繁殖などのデータ管理も併せて行なっている模様。

 

ほかにディスカッションのテーマとして投げかけられたものをちょっとご紹介。

例えば、牛から生産される温室効果ガスが地球の温暖化問題につながって非難されがちだけど、牛1頭あたりの生産性もより効率的になっている。1頭当たりの乳量が伸びていることも考えると、1乳量あたりに排出される温室効果ガスは以前よりも少なくなってきていて、その点はどうなの?*1 とか

「高泌乳の牛は初回AIを遅らせるべきか?」と問われ、「負のエネルギーバランスになるから、生体への影響を考えるとAIを待ってもいいと思う」という意見が出て皆うんうん頷けば、「単純に経済動物として考えた場合『どっちみちつかないだろう』と思って遅らせるよりも、普通にAIして妊+になった場合を考えると、高泌乳牛のほうがより利益が大きいので挑戦すべきだ」と先生が真っ向から反対してきてなかなか印象的でした。

10回程度の授業で終わるには内容が幅広すぎて、事前に配られた論文を斜め読みするスピードは上がった気がしますが内容はあまり覚えていない・・・。結局もいっかい読み返すはめになって、それでも覚えられなくてトホホな状態でした。

おしまい

 

*1:Capper, J. L. and R. A. Cady. 2020. The effects of improved performance in the U.S. dairy cattle industry on environmental impacts between 2007 and 2017. J Anim Sci 98(1).